そこは山形県最上町にある分水嶺です。
「分水嶺」と聞くと簡単には近付けない険しい岩山のイメージがありましたが、春の小川の唄が聞こえてきそうな風景の中にありました。ここが正真正銘、日本海へ出るか太平洋に出るかの分かれ道になっている場所です。
実はここは何年か前の春にも何度か立ち寄ったことがあります。畑の脇を流れる小川の水はとても澄んでいて、脇に咲く小さな花と木々は日本の原風景そのものです。
近くには茅葺き屋根の建物や無人駅がありますが、分水嶺ということを除けば、ただの普通の公園のようです。
誰もいない、何もないのに多くの人が集う場所
東屋(休憩所)にあった旅ノート。
自由にメッセージを書き残せるノートで、それには東京、京都、海外などの遠方からここを目的に、秘境駅に降り立った人々が句を詠んだり、ここを訪れた背景や思いがたくさん綴られていました。
中には、分水嶺らしく笹舟の作り方を書き残した旅人も。
よく見ると、管理人さんがコメントを返したりしています。
思い出は次の人のためのお土産に
旅ノートの脇にあるマジックは、絵や文字で石にデザインして、残すためのようです。
たぶんですが、気に入ったものがあれば、お土産や思い出として持ち帰ってもいいものだと思います。
写真を撮ったり動画を撮ったり、気づいたら2時間も滞在していました。
誰もいない、売店も何もない寂しげな場所なのに、心と心の交流ができるステキな場所でした。