「死の体験旅行」に出かけました

「死の体験旅行」とは、東京都豊島区の金剛院・蓮華堂で月に1度、自分の死を仮想体験する、人気のワークショップです。

今から3年ほど前にお取引先様を通じて知ったもので、死生観に向き合い、人生を見つめ直すことの必要性を実感できる素晴らしい内容です。

「死の体験旅行」

ワークショップの参加者は、あらかじめ住職から渡された20枚のカードに、大切な人、大切な物の名前などを自由に書いていきます。

そして「死の体験旅行」は、静かに流れるBGMと住職の語らいとともに、20枚のカードを、静かにゆっくりと、一つひとつ、捨てていくことから始まります。

どれも大切なことばかり書かれた20枚のカードですが、「死の体験旅行」では、捨てる順番を選別するという、残酷で現実的な選択を迫られるわけです。

例えば、子どもの名前を書いたカードでも順番を選んで一枚ずつ捨てなければいけません。

それは、自身が健康上の理由で思い通りにならなくなったり、日常生活の中で不便なことが増え、終末に一歩一歩、近づいていくこととオーバーラップしています。

自分の健康状態や周辺環境が今までとは違い、何かを諦めなければならない残酷な選択です。

そして、最後に残った一枚のカードについて、参加者たちがそのカードが最後に残した理由や背景を任意交流するのが「死の体験旅行」です。

「死の体験旅行」は、自分にとって何が一番大切なのか、それをどのようにして守っていくか、普段はあまり考えないことを考えさせてくれるワークショップです。

コロナ禍での入院生活

長年の準備期間を経て、妻の入院生活が始まりました。

コロナ禍での入院は家族でも面会ができません。完全に隔離状態になります。

そんな妻と入院中の家事の引き継ぎは、まさに「死の体験旅行」そのものです。

義母(妻の母)は寂しいと涙ぐみ、飼い猫のtamasabuは異変を感じ取ってそわそわしています。

私はとりあえず旅に出て、誰もがいつかは必ず独りになることの疑似体験ができることを前向きにとらえ、死生観に向き合おうと思います。

投稿者:

tamasabu

アウトドア志向なのに家から一歩も出ないで過ごしてみたいと思うことも多々。気に入ったモノを買い続ける習性あり。人生哲学は「往 (さ) る者は追わず、来たる者は拒まず」。1964年生まれ|血液O型|バイク歴40年以上|キャンプ歴25年以上|ドローン飛行100時間以上|防災士|デジタルマーケティング解析セミナーイベント登壇(2022年東京ミッドタウン)|宮城県在住。

「「死の体験旅行」に出かけました」への2件のフィードバック

  1. 貴重なお話ありがとうございます。
    大切なものの捨てる順番を決めていく作業。みんなに平等に与えられている「死」への道のりですか。
    このような状況での入院。奥様はじめ皆様心身ともに大変かと思います。
    大事になさってください。

    1. tamasabu – アウトドア志向なのに家から一歩も出ないで過ごしてみたいと思うことも多々。気に入ったモノを買い続ける習性あり。人生哲学は「往 (さ) る者は追わず、来たる者は拒まず」。1964年生まれ|血液O型|バイク歴40年以上|キャンプ歴25年以上|ドローン飛行100時間以上|防災士|デジタルマーケティング解析セミナーイベント登壇(2022年東京ミッドタウン)|宮城県在住。
      tamasabu より:

      CocoCanさん、コメントありがとうございます。
      何もかもですが、今あるのはいつかなくなってしまうもの、との思いで日々を過ごすことが必要ですね。

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