「プロが選んだ日本のホテル・旅館100選」総合1位のホテルに行ってみた!

2022年第47回の「プロが選んだ日本のホテル・旅館100選」(2021年12月11日発表)とは、旬刊旅行新聞が企画しているランキングイベントで、旅行に携わるプロがホテル・旅館を対象に選定したものです。

2022年の総合1位は、「母畑(ぼばた)温泉八幡屋(福島県)」です。

本記事「母畑温泉八幡屋(ぼばた・やはたや)」には今年の10月末に行ったのですが、ブログ投稿済と思っていたものが下書きになったままであることに今日気づき、文章を書き替えて投稿したものです。

「母畑(ぼたば)温泉八幡屋」は、福島県にある観光ホテルで、2022年総合1位(もてなし部門2位、料理部門2位、施設部門1位、企画部門1位)に輝きました。過去にも総合1位に選ばれているので、相当実力があるホテルと確信し、行く前から楽しみにしていました。

総合2位は白玉の湯泉慶・華鳳 (新潟県 月岡温泉)、総合3位は加賀屋 (石川県 和倉温泉)と続きます。

ほかの詳しいランキングは以下のリンクからどうぞ。

「プロが選んだ日本のホテル・旅館100選」

まずは道中のビュースポット「五色沼」

母畑温泉の途中、五色沼に立ち寄りました。旅行に出かける時は天候に恵まれることが多い私ですが、この時も絶好の紅葉狩り日和でした。(2022年10月25日)

五色沼(福島県耶麻郡北塩原村)
五色沼(福島県耶麻郡北塩原村)

山間を抜けた先にある湖で、貸しボートで湖面から紅葉を眺めることができます。

観光マインドもだいぶ緩和されたこの日は、外国人観光客も含め、多くの人出で賑わっていました。

ここを訪れたのは約30年ぶりです。当時の懐かしい記憶とともに散策しました。

おもてなしの気持ちが伝わる接客応対

五色沼から約40分ほどだったでしょうか。15:00ころ、目的地に到着しました。

「母畑(ぼばた)温泉八幡屋」は、総合1位は頷けるランキングでした。

館内の豪華さはもちろんですが、スタッフの接客応対で見せる表情や振る舞いは、どこにもやらされ感がなくてとても自然です。心からお客様をもてなそうとしている気持ちが伝わるのです。

作り笑いするわけでもなく、窮屈で時代遅れのマニュアルに従っていそうでもなく、何気ない世間話にも気さくに応じてくれるので、とにかく立ち振る舞いが自然なのです。

かといって、ズルズルなわけでもなく、清掃員の方はすれ違いざまにわざわざ立ち止まって会釈をしてくれます。

さすが総合1位、納得です。

この時の様子はショート動画にまとめました。もしご興味があるようであればご視聴ください。

東北へお越しの際はぜひ「母畑温泉八幡屋」へもお立ち寄りください。おすすめです。

本当は知られたくない!信頼で成り立つ無人の秘湯「にこりの湯」

ノープラン&ノーリサーチで出かけた北海道キャンプツーリングの最中に看板に導かれて辿り着いた場所は、北海道茅部(かやべ)郡森町にある秘湯でした。

「看板」から魅力を推測するコツ

「看板」が案内している場所の魅力や価値を察知するには自分なりのコツがあります。

温泉地などであれば、その場所と看板との距離の長短が私なりの基準です。例えば、「●●温泉30㎞先」などのように、知名度が高い場所はかなり手前から案内されています。

一方で近隣住民に親しまれているような場所は、直前にならないと出てこない看板があります。

ノープランのツーリング道中で見かけた看板は、長年の野外活動で培った冒険心をくすぐる雰囲気を感じて、看板に従って進んだ結果、「にこりの湯」の発見につながりました。

温泉開設1807年・券売機大活躍の受付カウンター

無人受付の入浴施設自体は、共同浴場などでも見受けられるのでさほど珍しくはありませんが、「にこりの湯」の無人システムは、スタッフが常駐する入浴施設とかわらないレベルでサービス提供されているところが大きく異なっています。

濁川温泉「にこりの湯」の券売機

入浴料は大人・子どもの区別以外に、企業や団体提携による会員料金体系もあるので、同じ大人でも複数の料金プランがあります。

その人の属性に応じた料金を券売機に投入してボタンを押して発券された券を、券売機となりに設置された回収箱に券を入れるというシンプルなシステムで運営されています。

年齢や身分を証明するものを提示してカメラが読み取るという仕組みではなく、あくまでも来館者の良心を前提にしたお会計です。

提携する企業や団体の会員でなくても会員ボタンを押して料金をごまかそうとする人はいるだろうし、そもそもおカネを投入せずに入浴する人もゼロではないと思いますが、そこを厳重に取り締まるためにギスギスするより、来館した人との信頼関係を大事にする姿勢を前面に打ち出した方がプラスに働くとの思いからでしょうか。

それは、どこでも味わったことのない、これ以上ない気持ちのいい接遇です。

セルフサービスの本質を教えてくれた「券売機」

券売機の左脇には、販売用の2種類のタオル、バスタオル(150円でレンタル)、髭剃り、シャンプー、リンス、石鹸、マスクなどが並べられていて、必要な人は券売機を使って購入することができます。

近くの農家がハウス栽培したトマトやトマトジュースのほか、アイスまで販売されています。

冷蔵庫の扉を開けると、缶ビールまで無人販売されています。これらすべてが券売機で買うことができます。

ここまで客を信用してもらえると入浴もとても気持ちがいいものです。

非接触型社会への渇望はセルフサービスを中心としたテクノロジーを進化させました。しかし、本当に重宝されるサービスのあり方は、「にこりの湯」の券売機のように、今まで以上に人間的で健全で気持ちのいい取引であるべきだと痛感しました。

道内一開花が早い桜を眺めて入る源泉掛け流しの露天風呂

濁川温泉「にこりの湯」の露天風呂

「にこりの湯」は加水・加温・循環は一切無しの100%天然の源泉掛け流し温泉です。

パンフレットに目を通すと、その泉質はマグネシウム(血糖値を下げる)とメタ珪酸(美容エキスの素)が多く含まれている全国でも珍しいとされる湯、との掲載がありました。

それを裏付けるように、地底の奥底から湧き上がってきたばかりのような木炭の匂いが特徴的です。

湯上がりの身体はいつまでもポカポカします。

風呂上りに地場産トマトジュース(券売機で購入)

そして、もうひとつの特徴は、温泉熱の影響で道内でもっとも早く開花する桜が露天風呂の脇にあるらしいことです。

この日もピンクに染まった八重桜を眺めながら浸かれる「にこりの湯」の露天風呂と湯上がりに地元で採れたトマトジュース、最高の贅沢でした。

至れり尽くせりの無料休憩室

本当は誰にも知られたくない秘密にしておきたい温泉ですが、温泉を支えようにも宮城から何度も通えるわけはありません。道南方面へお出かけの際はぜひお立ち寄りしてみてください。

すでに雑誌に取り上げられており、私らが帰るころには、はるばる滋賀県からの訪問者にも出会いました。

濁川温泉「にこりの湯」の駐車場

<元湯神泉館にこりの湯(濁川温泉)Twitterの投稿記事>

gopro (13) nvan (33) snowpeak (15) Stay in the car (14) うどん (9) おすすめ (56) エヌバン (10) カスタム (14) カレー (13) キャンプ (68) キャンプ用品 (28) キャンプ飯 (15) ストーブ (9) ダイソー (14) ツーリング (26) ドローン (10) バイク (19) バンライフ (62) バンライフ (13) メスティン (69) ライフスタイル (49) ランチ (45) レシピ (59) 保存食 (10) 動画 (8) 収納 (14) 和食 (8) 唐辛子 (9) 山形 (8) 弁当 (28) 手作り (12) 暖房 (11) 温泉 (13) 温泉めぐり (14) 男飯 (13) 癒し (10) 秘湯 (19) 秘湯めぐり (10) 簡単 (14) 簡単レシピ (16) 自然 (10) 調味料 (11) 調理器具 (9) 車中泊 (71) 軽バン (18)

誰にも教えたくない!源泉掛け流しの秘湯宿で牡蠣鍋パ

全国に名を轟かす秋田県乳頭温泉郷。今回訪れた温泉郷の名は厳密には「水沢温泉郷」で、全国的に有名な乳頭温泉郷はここからさらに車で15分ほど先にあるのですが、名湯には違いありません。

源泉掛け流しの衛生的な近代的な秘湯宿。なのに一泊4,950円!その秘密は「自炊」です。

キャンプ歴数十年のおっさんにとって自炊は全く問題はありません。むしろ大歓迎です。

本当は誰にも教えたくない、田沢湖を見下ろせる秘湯宿に友人と二人で向かいました。

私の第二秘密基地

乳頭温泉郷への道は所々に圧雪状の雪はあるものの、例年に比べれば走りやすい路面です。

ですが、道路脇にはいつもと変わらない積雪量と思われる雪の壁が続きます。

特に今日は好天で、風もなくすっきりとした青い色の空が広がり、第二秘密基地(第一秘密基地はNVAN)に近づくにつれ、テンションが高まります。

一泊4,950円の秘湯宿

今夜のために買い出しした、秋田伝統の銘酒・刈穂/吟醸酒 六舟

一泊4,950円の理由は、先に書いた通り、自炊のシステムだからです。

自炊のための調理器具や食器は、炊事場に部屋単位で用意されているので、食材さえあれば、どんなメニューでも調理することが可能です。

温泉の軒先に積もる雪

そして予定より少し早い15:00に到着。

宿のすぐ近くにはスキー場があるので、この時間はスキー客の日帰り入浴で賑わっています。

温泉宿の軒先にできたつらら

田沢湖が見下ろせるロケーション

客室から望む田沢湖

田沢湖は日本一の水深(423m)で知られる神秘的な湖です。

部屋の窓から田沢湖が見えます。

このエリアは夏もとてもきれいで、バイクツーリングでもよく訪れます。

エメラルドグリーンと雪のコントラストが美しい露天風呂

源泉掛け流しの露天風呂

内風呂も露天風呂も、熱い湯とぬるめの湯と二つに分かれていて、露天風呂からも田沢湖を望むことができます。

この時期・時間帯の客層は多くがスキー帰りの客。休日最後のアクティビティを惜しむかのように周りの景色と湯を楽しんでおられます。

濃厚味噌仕立ての牡蠣鍋

湯からあがった頃には陽が沈みそうで、秘密宿もそれに合わせて静かになっていきます。

部屋では、客室の廊下を歩く音も人の話し声も聞こえてきません。

客室から望む夕暮れ時の田沢湖

急に人が少なくなったので、また別の場所に来たかのようです。

給湯室はとても衛生的で、部屋毎に調理器具が備え付けられています。

今回はキャンプ道具があるので、ここでは食材と食器の水洗い程度でしたが、とても良心的な心配りが行き届いていて、安心して使うことができました。

かき鍋

冬の秋田の郷土料理といえば、きりたんぽ鍋が定番ですが、今夜は友人の希望で、濃厚赤味噌仕立ての牡蠣鍋パーティーにしました。

部屋単位に調理器具が用意された調理場

濃厚で何度飲んでも飽きのこない辛味噌に気仙沼大島産の大粒でぷりっぷりの牡蠣の風味が加わります。

牡蠣鍋と鯛の刺身

鯛の刺身は柵で買ったものを、適当にスライスしました。

まぐろの刺身

赤身と中トロの切り落とし。

宿代が安い分、高級食材を値段も見ずに買い物カゴに入れた結果です。写真は撮り忘れましたが寒ブリの刺身も。

乾杯!

「この年になれば、量より質。美味しいものを少しだけ」。なんて言いながら買い出ししていたのですが、気づけば、「美味しい物を目一杯」にすり替わっていました。

エメラルドグリーンの湯にWi-Fiも完備の充実の格安源泉掛け流しの温泉宿、最高です。

田沢湖高原・水沢温泉郷 露天風呂水沢温泉の公式WEBサイトはこちら

gopro (13) nvan (33) snowpeak (15) Stay in the car (14) うどん (9) おすすめ (56) エヌバン (10) カスタム (14) カレー (13) キャンプ (68) キャンプ用品 (28) キャンプ飯 (15) ストーブ (9) ダイソー (14) ツーリング (26) ドローン (10) バイク (19) バンライフ (62) バンライフ (13) メスティン (69) ライフスタイル (49) ランチ (45) レシピ (59) 保存食 (10) 動画 (8) 収納 (14) 和食 (8) 唐辛子 (9) 山形 (8) 弁当 (28) 手作り (12) 暖房 (11) 温泉 (13) 温泉めぐり (14) 男飯 (13) 癒し (10) 秘湯 (19) 秘湯めぐり (10) 簡単 (14) 簡単レシピ (16) 自然 (10) 調味料 (11) 調理器具 (9) 車中泊 (71) 軽バン (18)

白濁の源泉掛け流しの秘湯「松川温泉・松楓荘」でまったりしてきました

1743年8月6日に開湯したという秘湯「松川温泉 松楓荘(しょうふうそう)」に行ってきました。八幡平市にある278年の歴史ある秘湯で、私の好きな温泉のひとつです。

道中の路面に雪はありませんでしたが、豪雪期には麓からボンネットバスでの送迎もあります。

この写真は、2013年2月に宿泊した時の送迎バス写真です。

今日は自家用車で現地まで行きましたが、ボンネットバスを利用すると一気に現実から遠ざけてくれます。

「松川温泉・松楓荘」に到着。写真ではこじんまりと見えますが、2階建てで施設が奥に広がる大きな建物です。4種類の趣ある浴場と風情を楽しめます。

最も特徴的な吊り橋を渡っていく岩風呂は、残念ながら雪崩への警戒から今日は休止の看板がありました。身体中の細胞の隅々まで温泉成分を染み込ませようと3箇所の浴場を楽しみました。

泉質は、単純硫黄泉(硫化水素型)(低張性弱酸性高温泉)です。

そのうちのひとつ、混浴露天風呂です。松川温泉辺りは標高も高く、極寒の地なのですが、今日の外気温さほど冷たくはなく、出たり入ったり、の〜んびりと。

湯上がりに温泉卵のサービスがありました。香りと色合いから温泉成分が染み込んでいるようです。

温水ボイラーの唸る音と窓の下を流れる渓流の音を聞きながら、しばし仮眠。

いつ来ても雰囲気は何ひとつ変わらない、とてもいい湯でした。

松川温泉 松楓荘

仕事帰りの車中泊

ひなびた温泉を巡ろうと鳴子温泉峡へ行ってきました。「無限の撮影旅行」のテストフィールドとしてアクティビティも豊富で自宅からも程近く、最適な環境を持つエリアです。

今回の宿(車中泊)は、宮城県大崎市にある「あ・ら・伊達な道の駅」です。年間300万人も来場する道の駅で、全国でも上位にランクインする道の駅ですが、車中泊してそうな車両は私の他に3台ほど。

全国屈指の道の駅

宮城と山形を結ぶ、東北を横断するように走る国道沿いにある道の駅なので、交通量はさほど多くはありませんが、「あ・ら・伊達な道の駅」は全国屈指の来場者数を誇る人気の道の駅です。

夜はここで静かな時間をひとり、楽しみました。

「あ・ら・伊達な道の駅」

いつもどおりの目覚め

ここは豪雪地帯ですが、ほど寒くはありません。車内も快適で、ぐっすり快眠できました。

目隠しをめくり、車外を確認。静かな朝です。

車内を整理して、身支度を整えます。車中泊やバイクツーリングなどで宿泊した日の朝は、清々しいく、何度経験しても好きな時間帯です。慌てることもなく・・、とにかくいい感じなのです。

目的地の鳴子温泉まではここから30分ほど。ゆっくり湯に浸かり、またここに戻ってきた頃には道の駅も開店時間(9:00)を迎えている頃と思います。

それでも営業時間には少し早かったので温泉近くの鳴子温泉駅構内を見学。素敵な待合室です。

千年の歴史・強酸性の古湯に浸かる

滝乃湯到着。ここは鳴子温泉神社の御神湯として千年の歴史を持つ古湯で、地元民以外にも近隣の観光ホテルの宿泊客もよく来場します。

券売機には申し訳なさそうに、「料金改定させていただきました」との張り紙が。それでも入浴料金は大人200円です。

熱めの湯ですが身体の細胞の隅々まで温泉成分が行き渡るようにと1時間ほど過ごしました。

とってもいい湯です。

「あ・ら・伊達な道の駅」でお買い物

温泉の後は、前夜宿泊した「あ・ら・伊達な道の駅」の開店時間に合わせて戻りお買い物。

新鮮で多種多様な農産物・農産加工品の品揃えに加え、ROYCE’も直営店展開されています。北海道以外でROYCE’直営店があるのはここだけのようです。

開店直後から多くの来場者で賑わっていました。

プチ旅行の〆は「みよし食堂」

自分の中で一番美味しい中華そばと決めつけている「みよし食堂」のチャーシュメン。幸せです。

<今日の行程>

鳴子温泉滝の湯・・・・・・ 7:30営業開始・入場

あ・ら・伊達な道の駅・・・ 9:00営業開始・入店

みよし食堂・・・・・・・・ 10:30営業開始・入店

主要な見所は全て営業開始とともに利用し、自宅に着いたのはお昼頃。たっぷり遊んで帰ってきても、まだまだいろんなことができる時間です。

我ながら、効率の良い時間の使い方で大満足でした。

江戸時代から続く秘湯宿「乳頭温泉郷・鶴の湯」でまったり

「乳頭温泉郷」とは、十和田・八幡平国立公園 乳頭山麓に点在する七つの宿の湯のことをいいます。どの宿もたたずまいも雰囲気も素朴でしみじみとした趣きがあり、人気のエリアです。

全体はこちらのサイトをご覧ください。

おとぎ話の世界へ

昨年は、同じ乳頭温泉郷にある「蟹場(がにば)温泉」に一泊したのですが、雪が少ない年で、豪雪地帯の表情はうかがえませんでした。

今年はご覧のとおり。車高約2mのNVANと同じくらい積もっています。綺麗に除雪されていて、青空とのコントラストも相まって、おとぎ話の国に向かっているかのようです。

この日は快晴で無風。自転車で鶴の湯に向かう強者も3名ほどいらっしゃいました。

武士が詰めた茅葺き屋根の長屋「本陣」

乳頭温泉郷 鶴の湯。いつ見てもテンションがあがります。誰もここには居てほしくない、秘密の場所として独り占めしたい、そんな感覚すら覚えます。

写真ではわかりにくいですが、積雪期以外は茅葺き屋根が剥き出しですが、雪から保護するため、透明のビニールシートが覆い被されていました。この地で文化的建造物を守っていくのは、相当気を遣うのでしょう。

歴史は長く、1688年から湯宿としての経営の記録が残っているとのこと。1688年(元禄元年)は松尾芭蕉が奥の細道の旅にでる前の年。333年も前のことのようです。

本陣の客室内の設備には、囲炉裏や灯油ランプが備えられていて、当時の暮らしぶりをそのまま実感できます。ちなみにWiFiもあります。外国人観光客からの要望が多く取り入れたと、スタッフが語っていました。

赤唐辛子が吊るされていました。

別のブログ記事でも書いています。→ 秘湯の軒先の赤唐辛子

泉質は、含硫黄・ナトリウム・カルシウム塩化物・炭酸水素泉、他3種となっています。

露天風呂の全体像や周囲の景観はわかりにくいですが、とても風情があります。

二号館入口にある休憩室

全てが素朴。いい湯でした。

【後編】車中泊しながら共同浴場で癒されてきました

昨晩は蔵王スキー場付近の駐車場に車中泊しました。厳冬期の車中泊体験すで次につながる何かを発見したいのと、温泉に浸かってリフレッシュすることが目的です。

今日は6:00営業開始の共同浴場へ。ここから5分ほどの距離にありますが、昨日の共同浴場も、これから向かう共同浴場も初めての体験です。

昨晩は熟睡しました。ナンガの寝袋(オーロラ650)は寒さ知らずで最強です。まずは眠気覚ましにコーヒーを。やかんの上にあるのは自然解凍させたニチレイ今川焼きです。最近ハマっていて、自宅から1個だけ持ってきました。

共同浴場で一番風呂

時刻は朝6:00を少し回ったところ。スキーを担いだ若者数名を見かけた以外は車も通っていませんでした。本来であれば、夜明け前といえども除雪作業で慌ただしい朝なのかもしれませんが、雪が降らなかったのでとても静かです。

「蔵王温泉下湯共同浴場」は、昨日行った「上湯共同浴場」の2〜300mくらい手前、至近距離にありました。蔵王温泉街の中心部から少し奥に入ったところにありました。

ここは番頭さんはおらず、時間で自動的に施錠、解錠する仕組みで運営されている無人の共同浴場。浴場内の作りは上湯共同浴場と似ています。

泉質は強酸性は昨日と変わりありませんが、若干、透明度はこちらの方が高いような気がします。それでも温泉特有の匂いは半端なく、今、こうして記事を書いている時でも温泉の匂いに包まれています。身体中の毛穴を通じて細胞にまで温泉成分が染み込んだような感じです。

蔵王温泉の共同浴場めぐり似て車中泊の旅、趣も泉質も最高でした。来週は修理を依頼したMacBookの引き取りがあるので再訪したいと思います。

【前編】車中泊しながら共同浴場で癒されてきました

MacBookの修理依頼で山形市にやってきました。

明日も休みなので、泊まるもよし家に帰るもよしのノープランですが、8割方、何も予定のない時間を満喫する覚悟で自宅を出てきました。

MacBookをApple正規プロバイダへ預けた後は自由です。まずは蔵王温泉にある共同浴場へ。

入浴料は200円、泉質は蔵王温泉特有の強酸性で熱めの湯。酸性なので肌に傷があったりするとヒリヒリします。

コロナ対策もあって、入り口には6名まで、との注意書きがありましたが、先客は地元民っぽい人が一人だけで、5分もしないうちに独り占め状態となりました。

時折り、学校帰りの女子児童の笑い声が聞こえるだけで、それ以外は源泉が湯船を満たす音しかありません。なんとも贅沢です。

ランチには蕎麦かラーメンでもと考えていたのですが、買い物しているうちに食いそびれ、山形蔵王スキー場を見下ろせえる場所まで来てしまいました。

ここはスキー場の駐車場っぽいです。それも第4とか第5とか、場内が満杯になった時に使われる駐車場のようですが、誰もいません。

今日はここに投宿です。

メスティンでマグロ丼を作ろうかと思って買ったメバチマグロ。

早く落ち着きたくて、ご飯は炊かずに刺身でいただきます。

豪雪地帯の山の頂付近ですが、今は降雪も風もなく、とても静かです。

車内は快適な気温です。

ウイスキーに切り替えてもう少し飲んだら、星空撮影に挑戦して、明日朝6:00営業開始の共同浴場を楽しみに、シュラフに入ろうと思います。

八幡平最古の秘湯「ふけの湯」の源泉かけ流しの露天風呂

少し遅い敬老の日。最近めっきり歳とった義母を連れ、秋田・青森・岩手を跨ぐ八幡平国立公園頂上付近にある名湯「ふけの湯」に行ってきました。バイクツーリングでの日帰り入浴は何度か来たことがあるのですが、宿泊するのは今回が初めてです。

ここは5月から10月までしか営業していない秘湯です。まだ9月なのですが、真冬のような寒さで、部屋ではファンヒーターがフル稼働でした。

設備が整った観光ホテルにしようか迷いましたが、自然を感じられる、静かな宿がいいと思い、ここにしました。

夜は館内に誰もいないかのような静けさです。あいにくの天気で星空の撮影は叶いませんでしたが、やはりひなびた温泉宿はいいですね〜。

詳細はYouTube動画をご覧ください。

いい食いい湯でした。

そこは秘湯中の秘湯「滑川温泉福島屋」

悪天候により、バイクツーリング予定を車旅に変更して、心身をリフレッシュしてきました。

向かった先は山形県米沢市。

車旅ならではの様々な発見がありました。

秘湯の定義とは

露天風呂

滑川温泉福島屋。

山形県と福島県境付近にある秘湯です。今週末ここに宿泊するまでは、「秘湯」の定義は不明確なままでした。

山の奥地にある温泉宿?、認知度がそれほど高くない温泉?「秘湯」とは、何を指していうのでしょうか。

「日本秘湯を守る会」

「日本秘湯を守る会」のホームページには、次のように記載されています。

日本の原風景とう云うべき故郷を、自然風景を渇望する時が来ると信じ、流行と云う上面に流されることなく、
忘れてはならないもの、変えてはならないものは何かを問い、求めてきました。
いろいろな思いを胸に旅に出る人々の心根に思いをはせ、旅人を迎える宿と人がどうあるべきか、
宿を取り巻く自然環境、温泉環境がどうあるべきかを問い続け、  「旅人の心に添う 秘湯は人なり」  は
日本秘湯を守る会の永遠の理念であり、使命として認識し、多くの旅人に支持され、愛される宿の集まりでありたいと願っております。

私なりに要約すると、「歴史や伝統文化にこだわり、旅人の心に添う姿勢のある宿」が秘湯のようです。「秘湯は人なり」という言葉も合わせれば、「秘湯」と認定するか否かは、旅人や湯守の心持ちひとつと解釈させていただきました。

電源を水力自家発電で賄う滑川温泉は秘湯の中の秘湯

秘湯の客室

ここはまさしく秘湯でした。

「水力による自家発電」は、廊下にあった張り紙で知りました。もちろん、部屋で普通に電気を使うことができ、明かりが揺らいだり途切れたりすることはありません。

WiFi環境は整っていますが、それ以外は必要最低限の設備しかありません。それがとても新鮮に感じて心地よいわけです。

20組ほどの宿泊客がいながら、他の宿泊客と出会う機会はほとんどなく、まるで貸切のような状況でした。普通なら部屋に置き去りになっている分厚い案内パンフも撤収されてありません。(QRコードで読み取って館内施設や設備を確認する仕組みです。

いろいろな思いを胸に旅に出る人々の心根に思いをはせた末の思索で、ここは立地や周辺環境のみならず、真の「秘湯」です。(「秘湯」の定義を拡大解釈して、自分の尺度や感覚で認定できると思うと面白いですね。)

スタッフも良心的で料理も美味しく、いつも以上にゆっくりと流れる時間を満喫できました。

<満足度>

評価 :5/5。


二百余年続く秘湯の宿「滑川温泉福島屋(山形県米沢市)」

今日は友だち3人でバイクツーリング予定でしたが、大雨予報のため、車移動に切り替えて秘湯体験に向かいました。

仙台を出た頃は天候が回復気味だったので、車に変えて失敗したかなとも思ったのですが、宿に近くにつれ、雨足は強くなってきました。

大雨の中、山の奥地へ進む

市街地から1時間ほど走ってきました。写真ではわかりにくいですが、雨が強くなってきています。目指すのは、山麓にたたずむ歴史ある一軒宿。

道も細くなり、秘湯への期待が高まってきますが、若干の不安感も。

この樹木の向こう側は谷底です。

こんな山奥にほんとに宿があるのか不安になってきますが、道がある以上、何処かにはつながるのでしょう。

大雨の中、宿に到着!

滑川温泉 福島屋

滑川温泉 福島屋(山形県米沢市)に到着しました。

当温泉は文明8年(約530年前)、大沢の郷士斉藤盛房がこの付近の川を渡る際、岩石を滑り倒れ、その時手に温かい石を感じ温泉の湧出を発見しました。そこから「滑川」と称されるようになり宝歴13年(約250年前)、上杉藩主の許を得た当館笹木正直が開湯しました。

東吾妻の一峰一切経山への山道の途中、東大嶺に源を発する前川上流の切り立つような北谷の山中にあり、標高約850m、前川にかかる吊り橋のあたりの谷底は、一枚岩で流れる川底が美しく、新緑の春、避暑の夏、秋には素晴らしい紅葉を楽しむことができます。

http://www.namegawa-fukushimaya.com/welcome.htmlより

滑川温泉 福島屋

チェックインでは、宿帳に宿泊者全員の住所、氏名、連絡先の記載が必要でした。このご時世です。むしろ、記載を要求された方が安心感が持てます。

こうして世の中の変化を体験することで、「新しい生活様式」が「当たり前の生活様式」として定着していくのでしょう。

館内はとてもいい感じです。雨音と川の音がBGMです。私たちが発する会話や物音以外で聞こえるのは水の音だけです。

秘湯宿の客室

部屋には鍵もエアコンもありません。ですがとても涼しく快適です。寒いくらいです。

源泉100%の掛け流し湯

滑川温泉 福島屋の内風呂

泉質は、硫黄を含む炭酸水素塩・硫酸塩泉です。山岳エリアでなければ味わえない掛け流し湯。自然の香り、音、湯の肌触りを楽しんだ後は、弱まった雨音を聞きながら地酒を酌み交わします。

とてもいい宿いい湯でした。

滑川温泉 福島屋

<満足度>

評価 :5/5。

最後までご覧いただきありがとうございました。それでは今日はこの辺で。



仕事帰りの車中泊

深夜にYouTubeを見ているうちに長旅をしたくなり、仕事帰りに長旅のような真似事をするために寄り道することにしました。今週は土日休みですが、日曜朝に用事があるため、仕方なく金曜夜の強行策です。

NVAN車中泊時の朝

今回は小旅行にも満たない寄り道程度の行程ですが、満腹感いっぱいで帰宅してもまだ土曜の午後1時。くせになりそうな時間の使い方が見えてきました。

それでは旅の様子をご紹介いたしましょう。

【金曜19:00】豪雨予報の中、宿場へ急行

さっさと仕事を片付けて、向かうのは良質多彩な湯で名高い鳴子温泉郷。

この日は朝から東日本に大雨予報が出されていましたが車中泊予定なのでお構いなしです。それよりも気になるのは、到着までに陽が沈んでしまわないかということです。

今日の車中泊予定のスポットは初めての場所なので、周りがどんな様子になっているか、あらかじめ確認したいのですが、道中のスーパーで買い出しするので、暗くなってからの到着となりそうです。ぶっつけ本番ですね。

高速道路を降りたところで大雨の予報をTVニュースが伝えています。風も強そうなので、今夜はサードオーニング&テント は使用せず、車内滞在を楽しむこととします。

【金曜20:00】ひとり静かにNVAN呑み

スーパーでの買い出しではアンガス牛ステーキを買いました。入店した時点で今夜ステーキを食べるのは無理と決めていましたが、食べるか食べられないかではなく、旅の真似事の非日常空間では、ごちそうがあるかないか、心の充足感も重要だからです。

NVANで車中泊

ステーキが食べられない理由は、風が強いためサイドオーニングは使用できないからです。焼肉は天候が回復して、どうしても食べたくなったら外で焼くことにしました。

そんなわけで、メインはレッドグローブとトマトのヘルシーメニューとなりました。昼にガッツリ食べてしまったので、この時はこれで物足りない感じはありませんでした。

NVANで車中泊

家ではあまりTVは見ないのですが、こうしてひとり静かにTVを前にして呑むのも落ち着くものです。

今回NVANは運転席後ろ側を座椅子モード、助手席側がベッドスペースにしています。TVと向かい合って、運転席シートを前方に倒し、シート裏側を背もたれにして座っている状態です。窮屈でもなく、手を伸ばせばいろんな道具も取り出せて快適です。

時折、パラパラっと雨がNVANの屋根を叩く音がします。土砂降りでも構わんよ、と心の中で呟きながら、グラスを傾けます。サイコーです。

NVANで車中泊

何をするわけでもなく、ただハイボールを作って呑むだけですが、のんびりとゆっくりと流れる時間に満足感を感じます。これが毎日では寂しくなるのでしょうけれど。

お腹が空いてきました。以前買い置きしてあったカップヌードルで締めます。

何時に寝たのかは覚えていません。「締めます」の正しくは、「カップヌードルで締めたような記憶はある」ですね。

【土曜8:00】起床

NVANで車中泊

寒くもなく暑くもなく、ぐっすりと眠れました。おばさまたちの話し声が聞こえます。散歩のようですが、はて、外はどんな感じなのでしょうか。

ここが場違いでないことを祈りながら、恐る恐る、スライドドアを開けてみます。

おー、なかなかいい感じじゃありませんか。風は強いですが晴れています。この後で少し周囲を見て回ったのですが、芝生の手入れが行き届いた広々した公園でした。水洗トイレも清潔感があり、ここはこれからも使えそうですね。(ただしキャンプ場ではありません。)

私と似たような行動と思われる軽バンとキャンピングカーが止まっていました。ここは温泉郷にほど近く、自然を生かしたアクティビティが豊富なエリアなので、前泊する観光・行楽客も多いようです。

インスタントのカフェラテを飲みながら、今日の行動予定の整理です。

ちなみに、朝は無糖ではなく、甘さがあった方が好みです。

NVAN

ここに来たからには温泉は必須ですね。そそくさと車内の道具を片付けます。ハンディクリーナー(掃除機)の音が休日の朝を宣言しているようです。さてさて、出発することとします。

【土曜9:00】千年の歴史を持つ古湯「滝の湯」でリラックス

やってきたのは大崎市鳴子の公衆浴場「滝の湯」です。

泉質は、含硫黄・ナトリウム・アルミニウム・カルシウム・鉄-硫酸塩泉の低張性酸性高温泉です。

公衆浴場「滝の湯」
公衆浴場「滝の湯」

白濁したお湯と板張りの浴槽で、昔ながらの懐かしい雰囲気が漂っています。シャンプーや石鹸はありませんが、入浴料は大人200円、大満足ですね。

*撮影禁止の看板はなかったように思いますが、一応、自分自身の許可を得ました。

【土曜10:00】創業明治9年「岡崎斉の店」を見学

滝の湯を出てすぐ近く、通り沿いから不思議な動きに目が止まり、入店してみました。何気なく気になった店は覗いてみることにしています。思わぬ発見があるからです。

ここ「岡崎斉(ひとし)の店」は、明治9年(1876年)創業の伝統工芸品「鳴子こけし」の店でした。現在の主人は四代目。およそ150年も続く店は、張り詰めた緊張感漂う職人の店、というイメージがありますが、実際に入店してみると、温和で優しい笑顔のおじいさんでした。

こけし作り体験などもやっているようなので、いつか温泉旅館に宿泊した時にでもやってみようと思います。こけしに興味があるわけではありませんが、自分で作る木工芸品は愛着が湧きそうな気がします。今までにはない新しい発見になるかもしれません。

【土曜11:00】人類が開発した最古の原動機「水車」を見学

鳴子を出て3〜40分、栗原市一迫の国道沿いに水車がゆっくりとですが力強い感じで回転していました。

ここでSDカードの残量全てを、この水車撮影に託しました。撮影はGoPro Hero7(2.7K30fps)です。

【土曜12:00】隠れた名店「みよし食堂」

今回の旅ごっこのラストは、地元民の人気ラーメン店「みよし食堂」です。

店内は満員でしたが、タイミングよく待ち時間はありませんでした。

オーダーしたのは、「冷やしチャーシュー麺」。久しぶりの「冷やし」でしたが、いつ食べても美味しいラーメンです。

ラーメン食べながら、AERAが深堀りしたその時その時の社会問題に触れるのが好きです。頭に入るような気がします。もしかすると満足する味覚と記憶の深さには相関関係はあるのでしょうか?

今回は、お肉券、コラボ動画、布マスクなど、国民感覚と大きくズレる拝見を、心理学視点で見た記事が勉強になりました。

早急に何かを決めなければならない時、メンバー間で共有されている情報のみに目が向いて、個々のメンバーが持っている非共有情報の検討がなされない「共有情報バイアス」と、初めから好きな選択肢があってそれに合うような情報のみ注意が向けられる「確証バイアス」が生じるのだと言います。よくわかるような気がして、納得して丼を置きました。

【土曜13:00】帰宅。

13:00帰宅。仕事帰りの旅ごっこ、いや〜、なんとも充実の18時間でした。

いかがだったでしょうか。

ツーリングやキャンプに出かけて日曜夜に帰宅すると後片付けが大変だったりするのですが、今回のような時間配分であれば、片付けもゆっくりこなせます。

家についてから、アイスコーヒー飲みながら新聞を広げていた時、こういう時間の使い方はなかなかいいかも、とはたと気づきました。またいつか金曜日に出かけてみようと思います。

<満足度>

評価 :5/5。

最後までご覧いただきありがとうございました。それでは今日はこの辺で。



小さな町の温泉郷への小旅行

好天に誘われ、宮城山形県境に位置する遠刈田温泉郷に行ってきました。快晴のこの日、車内のTVニュースでは、気温27°と伝えていますが、木々の葉の緑眩しい山岳エリアは22°と快適で、心身ともに一瞬でリフレッシュするかのようです。

小さな町の温泉郷への小旅行、どんな風景に出会えるのでしょうか。

火の山として恐れられた蔵王山

NVAN

遠くに見えるのは蔵王山(ざおうざん、ざおうさん/標高1,841m)です。東北地方の中央を南北に連なる奥羽山脈の中にある活火山です。

2018年1月、蔵王山では小規模な噴火が起きる可能性があるとして、気象庁による噴火警報の発令や登山口の入山規制が行われなど、緊張が高まった時期がありました。

2018年3月に噴火警報は解除されていますが、2019年10月には台風19号が、2020年には新型コロナウイルスと、立て続けに自然の脅威にさらされてきたエリアです。

静かで美しい風景が広がる別荘地。車のガラス越しには何事もなかったように映ります。

新緑の峠道

買い出しは済ませているので、あとは今日の宿探しです。新緑がきれいでテンションがあがります。いい場所があれば、車中泊を敢行しようと思います。

森の中の公園「紅葉台」

新緑

ほどなくして「紅葉台」という所に到着しました。地元民によって手入の行き届いた森の中の公園(看板情報)ですが、人の姿はありません。

NVAN

今日はここに投宿します。すぐさま旅装を解いてリラックスしたいです。

NVANとカーサイドテント

サイドオーニングを引き伸ばし、プライバシーテントを設営したらチェックインの完了です。当店、森の中の一軒宿(無料)でございます。

NVANは助手席側のドアと後部スライドドアを開けた時、間に区切りがない(センターピラーレス)ので広々とした開放感があり、テント内で寛ぎながらも、車載したキャンプ道具へのアクセスも容易。快適に便利に過ごすことができるのです。

カーサイドテントの網戸

プライバシーテントを網戸モードに。風と野鳥の鳴き声に包まれ、なんとも贅沢な気分です。

やっと遅めのランチです。今回の「小さな満足」は、国産牛ももステーキ(750円税別)を味わうことです。

牛ももは、牛の後ろ脚(太もも)部分の脂肪が少ない赤身肉です。おいしいステーキにするには、硬くならないように高い温度で焼きすぎないのがポイントです。

まずは高温で一気に表面を焼き、うまみを引き出す作戦です。あとは弱火で適当に。タレは使わず、いつも、塩&しょうゆです。僕はこれがいちばんです。

続いて、ビールのおつまみ、そら豆を焼きます。さやごと焼けば、さやの中が蒸し焼き状態になるので、今が旬の香りを存分に味わえます。そら豆は出回り期間が短いので、その分だけ、季節や旬のありがたみを感じられる野菜。これも「小さな満足」です。

また、塩の種類を選んだりすると、そら豆の楽しみ方も増えるかもしれません。

夕食のメインはダイショーの「キムチ鍋スープ」。鍋スープの中では僕のお気に入りブランドのひとつです。原材料にエビ、魚醤、アサリエキス、煮干しエキス、オキアミエキスが使われており、辛さの中に魚介の旨みがあるのです。

鍋は代表的な冬季メニューですが、作るのも簡単で、温め直せばいつでも食べることができるのでアウトドアでは便利なメニューのひとつです。ひとりには分量が多いですが、朝までにはほぼほぼの完食でした。

NVANとカーサイドテント

お酒(ハイボール)を飲みながら調理したり、片付けたりしているうちに、すっかり酔っ払ってしまいました。テント内ではカメラや道具をいじったりするだけで、特に何かに集中して作業している訳ではないのですが、あっという間に夜が更けていきます。ボトルも2/3がなくなりました。飲み始めの時間が早いとついつい飲み過ぎますね。宴はこの辺(たぶん20:30くらい)で閉会です。おやすみ〜。

賑やかな森の目覚め

野鳥のさえずりで目が覚め、ささっと車内の整理を済ませます。酔っ払ったまま寝込んだので、細々したものが車内のあちこちに散乱していました。何でこれがこんな所にある?とはキャンプによくある超常現象。紛失する前に元どおりにしておきましょう。

いろんな種類の野鳥や生き物の鳴き声がひっきりなしに聞こえてきます。時折、これまで聞いたことのない、バックコーラスのようなおもしろい鳴き声も聞こえてきます。森の早朝はとにかく賑やかです。

清々しい森の空気を吸って一息ついたら朝食です。見てのとおり手抜きの朝食です。「手抜き」といえども、熱源は一口のカセットコンロだけなので、できるだけアツアツで美味しく食べるために、食材ごとに加熱の順番を論理的な思考で工夫を加えるのも大切です。その工程を考えたり軌道修正したり、小さな失敗をしたりするのも、アウトドアライフの楽しさです。

キャンプや車中泊は、「不便を楽しむ」というくらいの覚悟があってちょうど良いのかもしれません。

源泉かけ流100%の朝風呂へ

青根温泉じゃっぽの湯
青根温泉じゃっぽの湯

チェックアウトを済ませ、近くにある「青根温泉じゃっぽの湯」へ。歓迎されていますね。嬉しいことです。

ここは源泉100%かけ流しの日帰り入浴施設です。朝6:30からの営業で料金はおとな320円と格安です。

泉質は、低張性中性高温泉で泉温は48〜49°で湯加減は申し分ありません。小さな温泉街の共同浴場ですが、ボディソープ、シャンプー、ドライヤー、コインロッカー(返却式)が完備され、番台ではタオルの販売もしているので手ぶら入浴もできるという充実ぶりです。メンテナンスに手間がかかる豪雪地帯の宿命か、露天風呂がないのは残念ですが、館内はもとより、脱衣所や浴室も清潔感があり、地元民も朝から通うとてもいい湯でした。

自然の中に溶け込んだお洒落なカフェも

このエリアには、お洒落なカフェやレストランなど、多く見受けられます。通りから目に入った「BLUE COFFEE」の看板につられ、急停車。外観はちょっといい感じです。

BLUE COFFEEとはお店の名前です。緑に囲まれた黒基調の建物は樹木と同化し、緑豊かな自然の中に違和感なく溶け込んでいます。写真には写っていませんが、この店の裏にはドッグランのようなスペース(店舗設備かは未確認)もありました。自然を愛し、共生していこうとするライフスタイルや意欲が形になって現れているスポットです。

テラス席ではカップルが仲良く会話を楽しんでいるようでした。贅沢な時間です。

店内は清潔感ある落ち着いた雰囲気です。BGMもかかっているかどうかわからないような静けさが上質な空間を演出しています。開業して5年ほど経つとのことですが、つい最近完成したばかりのような佇まいです。

お土産にBLUE COFFEEオリジナルトートバックと缶バッチをGET。このバッグはボテっとした感触の厚手の生地で、使うほどに味わいが出てきそうです。

この他、直売所で販売していた地元で採れた山菜加工品(行者ニンニクの醤油漬け、きゃらふき)とそら豆も小旅行の土産品として購入しました。3品とも季節の野菜です。

久しぶりに自然の美しい景色とのんびりとした時間を堪能できました。「小さな町の温泉郷への小旅行」、しばらくはテーマになりそうなフレーズです。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。