新型コロナ対策はまるで現代版時代劇の脚本

民間で行うPCR検査は、検体受領後数時間で結果がわかるのに、なぜ保健所扱いだと数日を要するのか、なぜ国産メーカーのPCR検査機器が海外で活用されているのに国内では活用されていないのかを調べている過程で、 時事ドットコムで興味深い記事を見つけました。

◆「資金と情報を独占する「感染症ムラ」 新型コロナウイルスと臨床研究/ 文:元東京大学医科学研究所/NPO法人医療ガバナンス研究所理事長・上 昌広氏 (時事通信社「厚生福祉」2020年7月7日号より)

要約すると、「PCR検査の目詰まりや感染拡大の遠因は、行財政改革の対象になっていた役人の天下りオアシス”保健所”を温存させるため、民間委託によるPCR検査の合理的技術の活用や検査集計のIT化から遠ざけ、関係者だけが資金と情報を独占しようとする思惑が働いているから」ということのようです。

結果、キャパの小さい保健所に合わせたPCR検査体制が続くことになっています。

お急ぎの方は、見出し「感染ムラ」からご覧ください。

以下、記事転載です。


新型コロナウイルス流行の第1波がほぼ収束し、検証が進んでいる。

 安倍晋三首相は「わが国の人口当たりの感染者数や死亡者数は、G7、主要先進国の中でも圧倒的に少なく抑え込むことができている。これは数字上明らかな客観的事実です」と日本の対応を誇る。

 強制力を伴わない要請にもかかわらず、国民の自粛によって感染拡大が収束したことを「日本モデル」と胸を張る。

低い国民の評価

ところが、国民の評価は低い。世論調査では、新型コロナに対する安倍政権の対応を60%の人が「評価しない」と回答している。

 なぜ、こうした乖離(かいり)が生じるのだろうか。私は、政府と国民の信頼関係の欠如が影響していると考えている。

 残念だが、日本では国民の政府への信頼度が低い。経済協力開発機構(OECD)の調査によれば、日本人で政府を信頼すると回答したのは37%にすぎず、独仏をはじめとした欧州諸国はもちろん、韓国より低い。

 公衆衛生分野での介入の成否は、政府と国民の信頼関係と相関することが知られている。国民のワクチンへの信頼度は、政府への信頼度と相関する。英科学誌『ネイチャー』は2019年6月19日号の記事で「日本は世界で最もワクチンが信頼されていない国の一つ」と紹介している。

 このことは、新型コロナウイルス対策にも影響しそうだ。

 欧州では新型コロナの致死率と政府の信頼度が相関する傾向がある。致死率が低いドイツやポーランドは国民の政府への信頼度が高く、逆に致死率が高いフランス、イタリア、スペインは信頼度が低い。政府を信じなければその強制的な措置には従えないので、これは当然かもしれない。

 欧米諸国と比べれば、日本の致死率は低いが、これは流行したウイルスの型や生活環境などの違いもあって、一概に比較できない。

 アジア諸国と比べた場合、日本の致死率は高い。アジア諸国の中で日本は政府への信頼度が低く、このことが影響しているのかもしれない。

 ではどうすればいいのだろう。信頼関係を醸成するには、正確な情報を国民と共有し、広く議論するしかない。その点で、専門家会議が議事録を作成していなかったことなどは論外だ。

 加藤勝信厚生労働大臣は「第1回会議で、専門家に自由かつ率直に意見してもらうため、発言者が特定されない形の議事概要を作成する方針を説明し、了解された」と発言しているが、もし、匿名でしか発言できない専門家がいるとすれば、委員を降りてもらえばいい。どうして、こんな理屈がまかり通るのだろうか。

 この問題は、日本の医療行政の宿痾(しゅくあ)を象徴している。

 国民そっちのけで、政府をはじめ提供者の都合ばかりが優先されている。新型コロナウイルス対策には、世界中が優秀な人材と巨額の資金を投入しているのに、これでは世界の潮流についていけない。

 本稿では、ガバナンスの視点から新型コロナウイルス問題を論じたい。


弱い臨床研究力

前述したが、新型コロナウイルス対策の肝は、正確な情報を社会で共有することだ。新型コロナウイルスは未知のウイルスであり、その性質を明らかにしなければ対応の仕方は分からない。そのためには臨床研究を推進するしかない。

 ところが、日本は臨床研究力が弱い。正確な情報がないから、曖昧なスローガンを打ち出すしかない。その典型例が「3密」(密閉空間、密集場所、密接場面)回避だ。このスローガンは、今や妥当とは言い難い。

 当初このウイルスは、インフルエンザや風邪ウイルスのように鼻腔(びくう)や咽頭で増殖し、咳(せき)や痰(たん)で周囲に拡散すると考えられていたが、その後の研究で唾液に大量に含まれることが判明した。

 大声で話し、唾が飛ぶことで周囲に感染させる。密閉空間、密集場所も危険因子だが、大声での会話とは比べものにならない。

 満員電車の集団感染は報告されていないが、屋形船、居酒屋、カラオケ、さらに合唱団、相撲、剣道などで集団感染が生じたことにもこれで説明がつく。密閉空間、密集場所と密接場面を区別して議論している人は、果たしてどれくらいいるだろうか。

 最近の『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』や『サイエンス』などの科学誌や医学誌には、飛沫(ひまつ)やエアロゾルによる感染の論文が多数掲載されている。世界の研究者の関心がここに集まっているのが分かる。ところが、日本は「3密」から進んでいない。

 世界は臨床研究の成果を踏まえ、融通無碍(むげ)に対応している。例えば4月4日、中国東南大学の医師たちは、7324例の感染者の感染状況を調べたところ、屋外で感染したのはわずかに1例だったと報告した。ほぼすべての感染が屋内で生じていたことになる。

 同様の状況は日本でも確認されていた。3月31日現在、厚労省は26のクラスターを確認していたが、すべてが屋内で発生していた。16は医療・福祉施設で、残りはライブハウス、展示会、飲食店など利用者がお互いに何らかの会話を交わす場所ばかりだった。

 この頃、世界では空気が変わっていた。

 4月29日には米国の大リーグが6月1日から再開と報じられたし、5月7日には独のブンデスリーガが16日から無観客で再開すると発表した。屋外での感染リスクは低いと判断したためだろう。5月20日に夏の全国高校野球選手権の中止を決定した日本とは対照的だ。

 なぜ、こんなことになるのだろうか。日本は臨床研究力が弱いため、どうしても及び腰になるからだ。

 図1は6月10日現在、世界各国の新型コロナウイルスに関する論文数を調べたもので、日本からの論文発表数が少ないことが分かる。

論文発表の重要性

では、日本国内ではどのような研究機関が研究をリードしているのだろうか。

 をご覧いただきたい。最も多く論文を発表しているのは北海道大学で、次いで東京大学、横浜市立大学と続く。

 特記すべきは、新型コロナウイルス対策の中心と考えられている国立感染症研究所(感染研)から、わずか3報しか論文が出ていないことだ。

 医療ガバナンス研究所を中核としたわれわれのグループでさえ8報の英文論文が受理され、数報を投稿中である。感染研は豊富な資金を抱え、多くの人材をそろえているのに、この少なさは異様といえる。

 感染研が研究をしていないわけではない。

 ホームページには「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)関連情報ページ」があり、「ダイヤモンドプリンセス号環境検査に関する報告(要旨)」や「〈速報〉長崎市に停泊中のクルーズ船内で発生した新型コロナウイルス感染症の集団発生事例:中間報告」「新型コロナウイルスSARS-CoV-2のゲノム分子疫学調査」などの成果を公開している。

 分子疫学調査に関しては「国内のコロナ、武漢でなく欧州から伝播? 感染研調べ」(朝日新聞4月28日)とメディアで広く報じられたため、ご記憶の方も多いだろう。

 ところが、このような研究の多くが論文として学術誌に発表されていない。これは由々しき事態だ。科学の基本は反証可能性だが、論文として発表しなければ、誰も反論できない。

 科学界は反証の機会を担保することに最大限の注意を払っている。『ネイチャー』や『ランセット』などの総合科学誌、臨床医学誌は、「レター」や「コレスポンデンス」などの欄を設け、掲載された論文に対する意見や反論を募集している。

 中には「公開質問状」のような形で意見を表明する専門家もいる。一例を挙げれば、5月22日の『ランセット』に米ブリガム・アンド・ウィメンズ病院の医師たちの研究が掲載された。

 この研究では、新型コロナウイルスの治療薬として、マラリア治療薬のヒドロキシクロロキンとクロロキンの効果を調べ、効果がないばかりか死亡が増えたと報告した。

 しかしながら、米ハーバード大学や英インペリアル・カレッジ・ロンドンの研究者たちが、データを提供した国と病院に関する情報がないことなど、研究方法の問題を指摘する公開質問状を投稿した。

 医学論文では、一点でも問題があれば、研究全体が信頼できなくなる。『ランセット』編集部も、即座に調査し、問題を認めた。そして論文を撤回した。これが科学の世界だ。

 このような対応ができるのは、研究成果を論文という形で公表し、その中で第三者がチェックできるよう、方法を明記しているためだ。感染研がホームページで発表する「中間報告」や「要旨」ではこうはならない。

 感染研が公表しないのは、研究者のレベルが低いからではない。情報を開示することで、厚労省の政策が批判されるのを恐れるからだろう。

 感染研が論文を書くと、なぜ厚労省が批判されるのか。それは、日本の感染症対策を仕切るのが、厚労省健康局結核感染症課、感染研、保健所・地域衛生研究所だからだ。

 実は、海外から新型コロナウイルスやエボラウイルスのような病原体が入ってきたとき、こうした組織が中心となって対応することは感染症法で規定されている。

 感染症対策は「公衆衛生」と称され、一般の臨床医療と切り分けられてきた。前者は保健所・感染研、後者は医療機関が担当し、予算もデータベースもすべて別。つまり、縦割りとなっている。


「感染症ムラ」

資金と情報を独占する「感染症ムラ」 新型コロナウイルスと臨床研究

新型コロナウイルス感染を心配した患者がクリニックを受診すると、保健所に回された。保健所は通常の医療機関ではないので「37.5度以上の発熱が4日間続いた場合」という独自の基準を作って、検査を断ることができた。

 感染症法で規定されていない民間医療機関や民間検査会社は、どれだけ能力があろうと、厚労省、感染研、保健所の指示がなければ検査できない。これがPCR検査の目詰まりの真相である。

 このことは感染研が作成した感染症対策のシェーマ(図2)を見れば一目瞭然。保健所が「全臨床医」「定点診療所・病院」の情報を吸い上げ、地方感染症情報センターを介して、中央感染症情報センターや厚労省と共有しているのが分かる。

 独占が腐敗を生むのは世の習いだが、厚労省、感染研、保健所などから成る「感染症ムラ」ともいえる構造については、よほどの専門家でない限り理解していない。

 私がこの存在を知ったのは、09年に新型インフルエンザ対策で舛添要一厚労相(当時)のお手伝いをしたときだ。当時と状況は変わっていない。

 その頃、私は東京大学医科学研究所(東大医科研)に所属していた。東大医科研は北里柴三郎が設立した伝染病研究所に由来する。戦後、感染研と東大医科研に分離するが、れっきとした「感染症ムラ」の一員であり、その雰囲気を知ることができた。

 「ムラ社会」の中核を占めるのは感染研と厚労省健康局結核感染症課だ。感染研は厚労省の施設等機関で、独立行政法人ではない。所管するのは大臣官房厚生科学課で、結核感染症課の指揮下で感染症対策を行っている。

 両者の関係は不透明で、その象徴が厚生労働科学研究費である。結核感染症課は「新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究事業」を所管する。

 19年度の研究事業の総額は3億4320万円で、31人の研究者に配分している。うち13人は感染研の研究者で、彼らが受け取った総額は1億4025万円(41%)。

 「新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究事業」は、厚労省が主宰する公的研究で、演題の採択は公募形式で決めることになっている。ところが、実態は「身内で山分けしている」(元医系技官)ことになる。

 お裾分けにあずかるのは現役だけではない。感染研OBも名を連ねる。例えば、大石和徳・富山県衛生研究所所長や岡部信彦・川崎市健康安全研究所所長は19年度、それぞれ1150万円、3130万円を受け取っている。

 いずれも医学界の重鎮であり、岡部氏は新型コロナウイルス対策専門家会議の委員も務め、感染研時代には中央感染症情報センターのセンター長を務めた。

 両氏が所属する富山県衛生研究所、川崎市健康安全研究所は、地方衛生研究所(地衛研)と呼ばれる。地衛研は地方自治体が運営する検査機関だ。前出の元医系技官は「保健所は医系技官、地衛研は感染研の天下り先」と言う。

 地衛研の設立者は都道府県や政令指定市なので、誰もが自治体の長の指示に従うと思うだろう。ところが、そのトップを「感染症ムラ」が仕切る。指揮命令系統がはっきりせず、責任の所在も不明である。

 各地からPCR検査増の要望が出て、安倍首相から民間検査会社の活用を指示されても一向にPCR検査が進まなかったのは、「感染症ムラ」が検査を増やすことを望まなかったからだ。

 3月22日に放送されたNHKスペシャル『“パンデミック”との闘い~感染拡大は封じ込められるか~』に出演した押谷仁・東北大学教授は「すべての感染者を見つけなければいけないというウイルスではないんですね。クラスターさえ見つけていれば、ある程度の制御ができる」「PCRの検査を抑えているということが、日本がこういう状態で踏みとどまっている」と述べている。

 これは、その後の経過を見れば誤りは明白だが、押谷氏はいまだに発言を撤回していない。


予算配分に影響力

 「感染症ムラ」の独占構造は、これだけではない。

 図3は2月13日、官邸の新型コロナウイルス感染症対策本部の第8回会合に提出された研究開発費の分配案だ。

 総額19億8000万円の予算のうち、感染研には直接9億8000万円、および日本医療研究開発機構(AMED)を介して東大医科研と併せて4億6000万円、さらに厚労省から1500万円が渡ることになる。総額は14億5500万円に上る。

 感染研以外には、東大医科研に1億5000万円(単独)、国立国際医療研究センターに3億5000万円が措置されている。

 東大医科研からは専門家会議に2人の委員が選出されているし、国立国際医療研究センターは厚労省が所管する独法で、OBが専門家会議のメンバーだ。東大医科研の前身が伝染病研究所であることは既に述べた。

 国立国際医療研究センターの前身は旧東京第一陸軍病院である。共に戦前から「感染症ムラ」を形成する。

 新型コロナウイルス対策を調べていくと、ムラ社会関係者が次々に出てくる。

 ムラ社会にいると、資金だけでなく情報も独占できる。研究者にとって、情報独占がどれだけありがたいかは言うまでもないだろう。

 厚労省クラスター対策班の一員である堀口逸子・東京理科大学教授は、4月24日の自身のツイッターで「計算式だせだせ、て、みなさんいうけど、査読中で、通ったら出します。て答えていたよ。西浦先生。掲載されたら出せます、て、当たり前すぎる回答でした。科学だから」と述べている。

 西浦教授がプログラムコードとデータをGitHubで公開したのは5月12日だ。新型コロナウイルス対策において、西浦氏の論文掲載と情報開示のいずれが優先されるべきかにおいて議論の余地はない。


超過死亡のデータ

 一方、「感染症ムラ」は部外者には冷たい。渋谷健司キングス・カレッジ・ロンドン教授は「超過死亡の調査をしようとして、日本の閉鎖的体質を痛感しました」と言う。

 超過死亡は、人口動態統計さえあれば誰でも推定できる。日本で超過死亡を推定している感染研は、独自の方法でやっており、そのことを英文論文として発表していない。

 渋谷教授は、超過死亡の推定に用いているデータの提供を感染研に求めたが、「超過死亡の推定に用いている死亡数の実数は公表していない。データの詳細を知りたい場合には、データ利用申請が必要になり、その手続きには数カ月かかる」と担当者から言われた。

 その後、感染研は対応を変えたようで、「出す義務はない」と返答してきた。超過死亡のデータは、統計法に基づく調査ではないので公開義務はないというのが理由らしい。

 超過死亡については、さまざまな憶測が広まっている。元朝日新聞記者である佐藤章氏は「『超過死亡グラフ改竄』疑惑に、国立感染研は誠実に答えよ!」(『論座』2020.5.27)という文章を公表している。一読をお勧めする。

 この疑惑を晴らすには、感染研が論文として解析結果を発表する、あるいはデータを公表し、第三者の解析に委ねるのが一番なのだが、そのような動きはない。

 新型コロナウイルスの研究で、感染研の閉鎖的な体質を表す事例は枚挙にいとまがない。もう一例、ゲノム分析結果についてご紹介しよう。

 新型コロナウイルスは突然変異を繰り返し、その性質を変えていく。世界中の研究者が新型コロナウイルスのゲノム配列を解読し、その情報を共有している。

 そのデータベースが「GISAID」だ。06年の鳥インフルエンザの流行をきっかけに議論が始まり、08年5月の世界保健機関(WHO)の総会で設立が決まった。

 新型コロナウイルスに関する情報も整備しており、6月1日現在、約3万5000のゲノム配列が登録され、情報工学者が中心となって分析を進めている。

 日本から登録されているのはわずかに131で、感染研が96を占める。このうち71は検疫所で採取されたもので、直近では2月16日に取得したサンプルを5月29日に登録している。

 感染研は、前述のように「新型コロナウイルスSARS-CoV-2のゲノム分子疫学調査」を実施し、3月以降に欧州から流入したウイルスが国内で流行したと主張している。

 それなら保健所や永寿総合病院、中野江古田病院などの院内感染を起こしたウイルスのゲノムデータを登録すればいい。世界中の研究者がさまざまな角度から分析できる。


メディアにも責任

 こうした状況を変えるには、「感染症ムラ」の在り方を見直すしかないと私は考えている。

 「感染症ムラ」はピラミッド型の組織ではなく、「マフィア型」のネットワークといえる。医系技官・感染研は厚労省に、保健所・地衛研は自治体に属し、研究費の分配を通じて特定の研究者とつながっている。

 意思決定プロセスや責任体制は外部からは分からない。だからこそ、このようなことがまかり通ってきた。

 そして、メディアは彼らの主張を垂れ流してきた。

 前出の押谷教授は、「感染対策、国ごとに大きな違いが」「何が日本と欧米を分けたのか」(「外交」2020年5/6月号)と、いまだに自画自賛するが、欧米と比べ、日本の感染者や死亡者が少なかったのは、アジアで流行したウイルスの遺伝子型が欧米とは異なり、毒性が低かった可能性が高い(図4)。

 その証左に、東アジアで見ると、日本は感染者も死亡者も多い。病院や介護施設で院内感染が多発したからで、多発したのは東アジアでは日本だけだ。自画自賛している場合ではない。

 今こそ、第1波の経験に基づき、問題点を改善しなければならない。感染症法の改定は喫緊の課題だ。公衆衛生と医療など、提供者の都合による縦割りを廃し、国民視点で見直す必要がある。

 PCR検査を保健所・地衛研が独占する合理的な理由はない。医療機関や医師、さらに民間検査会社によるPCR検査などを明確化し、公費で財政支援すべきだ。

 本稿では詳述しなかったが、感染者に対する勧告と強制による即時入院に加え、施設への隔離や自宅での待機を明確化し、さらに保健所を介さず入院や隔離した場合にも、公費による支援を導入する。

 また、感染研や保健所・地衛研は感染データの収集をIT化して一元管理し、公表を義務付ける。厚労省や感染研が選ぶ一部の研究者だけが独占的に解析する必要はない。国内外を問わず、希望する研究者すべてに提供すべきである。

 さらに、感染研の独法化を検討する。「日本版CDC(米疾病対策センター)の設立を求める」という声があるが、今のまま感染研の権限を強化しても、国民のためにはならないだろう。

 独法化することで、理事長は公募となり、財務や活動については開示義務が生じる。意思決定プロセスが透明化され、責任が生じる。

 「感染症ムラ」をゼロベースで見直す時期である。

(時事通信社「厚生福祉」2020年7月7日号より)


一方で、水泳選手のツイート投稿時刻とメディア報道時刻との時差がないことなどからやらせ疑惑も浮上。オリンピック強行開催へ突き進もうとしている国に明るい未来は来るのかどうか、一連の出来事を真実と信じるか信じないかはあなた次第です。

インスタント袋麺でお気に入りのお店の味を再現してみました

昭和27年創業「ラーメンの店みよし」。

(撮影)2019年8月

私の中では日本で一番、美味しいチャーシューメンが売りのお店です。

昭和27年創業ということは1952年。約70年の歴史がある店です。店内は5〜6席のカウンターと4人がけテーブル席が3つ。

営業時間は10:30〜13:30の3時間だけなので、近くにあって遠く感じる店でもあります。

チャーシューメン(800円)

シンプルなあっさり系しょうゆベースのスープと厚切りで柔らかいチャーシューが特徴です。

店備え付けのAERAを読みながら啜るのが得意で、店を訪れる旅に、AERA表紙とラーメンの2ショットを写真に収め、読んで学んだ記事をメモ(スマホ)するのが習慣でした。

みよしのスープはダブルラーメンが近いかも

ダブルラーメンとは、北海道限定のマルちゃんのインスタント袋麺です。

一つのパッケージに2食入っているのでダブルラーメン。

北海道に出張が多かった頃、よく買って帰ってましたが、ここ数年は忘れた存在でした。

ところが先日近所のスーパーで開催されていた「北海道フェア」で再会し、あらためて食べてみると、みよしのラーメンスープに、味も色も透明感もよく似ていることに気づいたのです。

自家製チャーシュー作り

ベースが手に入れば、チャーシューを上手く作ることが出来れば、そこそこのレベルで「みよし」を再現できそうです。

そして、朝早くからチャーシューの仕込みです。

難しそうなイメージですが、意外に簡単で、材料は目分量でも、納得できるレベルで美味しくできるようになりました。

<作り方と材料>豚バラ肉350gにしょうゆ300cc、日本酒80cc、みりん20ccに生姜、にんにく、ねぎ(青い部分)を加えて煮込みました。

出来ました!ダブルラーメンのスープ もチャーシューの味も「みよし」に似て、大満足です。

次回は、メンマを加え、脇にはAERAも添え、「みよし」気分を楽しみたいと思います。