失敗しないテントの選び方、それは一に目的、二に耐水圧、三四がなくて五に重さ。
おすすめのテントは、耐水圧2,000mm以上のダブルウォールテント(二人用)です。それはなぜなのでしょうか。できるだけわかりやすくご紹介したいと思います。

こんにちはtamasabuです。
キャンプ=テントといっても過言ではない両者の関係。キャンプを始める人にとって、数ある中から好みや予算にあったテントを選ぶのは楽しくもあり悩ましいことでもあります。
おすすめのテントやそれぞれのスペックの違いは、アウトドアショップでも詳しく説明してくれると思いますが、予備知識があった方が会話も弾むしスムーズです。
まずは商品選定で重要となるポイントについて解説いたします。
テントの使用シーンをはっきりさせる
なぜ、使用シーンをはっきりさせることが重要なのでしょうか。
それはテントにはレジャーから命がけの山岳ベースキャンプ用など、それぞれのシチュエーションに応じた商品開発がされています。場面によって重視する品質規格が大きく異なるからです。
品質規格によって価格も変わってくるので、選び方を間違えると「高いおカネ出した割には使いにくい」ということにもなりかねません。おカネだけの問題であればまだいいのですが、身の安全にもかかわってくるケースもあるので、適切な選択が必要です。

例えば、レジャーが主目的であれば、にわか雨をしのげる程度の防水性能があれば十分ですが、縦走登山や冬山登山であれば、岩肌にこすれても破れない生地の強度や耐風性も必要になってきます。デザインや価格で選ぶ前に、どんな目的で使用するのかがはっきりすれば、候補はだいぶ絞られ、間違いのない選択ができるはずです。
登山・・・・・・・・・軽さと耐水圧の両方とも高い性能が要求されます。
バイクツーリング・・・軽さは多少犠牲になっても、雨に強い方が安心です。
ファミリーキャンプ・・収容人数(広さ)や居住性が高い方が楽しめます。
例えば、雨に弱い生地のテントで縦走登山に出掛けた場合、天候によっては体や衣服も濡れてしまい、低体温症などの命にもかかわるリスクを招きます。登山に5kgのテントを背負って出かけるよりも、2kgのテントと3kg分の装備を持った方が、対処できる幅が増え、登山の安全度は飛躍的に高まりますね。
山岳登山用のテントには、ポールを折ってしまった場合の補修キットが付属していたり、ファスナーやテント用ロープ(張り綱)に反射材が入っているものも多いです。商品開発に安全重視の姿勢がうかがえます。(反射材入りの張り網は、足をひっかけての転倒などを防ぎます。)
テント生地の耐水圧性能を確認する
「耐水圧」とは、生地に染み込もうとする水の力を抑える性能数値(JIS規格)です。例えば、耐水圧2,000mmとは、生地の上に立てた1cm四方の柱の中に水を入れた時、2,000mm(2m)の高さの水圧に耐えられる状態のことを指します。
●傘の耐水圧:約250mm
●体重75kgの人が濡れた場所に座った時の圧力:約2,000mm
●濡れた場所に膝まずいている時の膝の圧力:約11,000mm
この例を見る限り、フロアの耐水圧は2,000mmはあった方がよさそうですね。
テントの構造を検討する
一方で、耐水圧が高いということは、テントの通気性を犠牲にしているとも言えます。通気性については、テント構造とあわせて検討するとよいと思います。
<シングルウォール>1枚生地のため設営が簡単。コンパクトだが結露しやすい。
<ダブルウォール>インナーとフライシートの2層構造。結露に強く、前室が使える。

このほかに、テントが自立式か吊り下げ式かなどの違いもあります。「MSR HABAHABA NX」は、ダブルウォール+吊り下げ式なので、テント本体を雨に濡らすことなく設営や撤収が可能です。(フライシートの設置と、本体の吊り下げを別々にできます)
重視するポイントを決める
アウトドアブランドのテントでは、何種類ものテントがラインナップされています。ひと口に「登山」といっても、様々な登山のスタイルがあるため、そのスタイルに適応した商品を開発しているようです。
<テント比較表>*「構造」のSはシングルウォール、Wはダブルウォールです。
商品名 | フロア 耐水圧 | フライ 耐水圧 | 定員 (名) | 重量 | 構造 | 定価 (円/税別) |
ホールアース | 1,000mm | 1,000mm | 2 | 1.1kg | S | 5,489 |
コールマン ツーリングドーム | 3,000mm | 1,500mm | 2 | 5.0kg | W | 19,800 |
モンベル マイティドーム1型 | 20,000mm | なし | 1 | 1.3kg | S | 52,900 |
モンベル ルナドーム2型 | 1,500mm | 1,000mm | 2 | 1.8kg | W | 46,000 |
MSR HABAHABA NX | 3,000mm | 1,200mm | 2 | 1.7kg | W | 62,000 |
MSR Fury | 10,000mm | 1,500mm | 2 | 2.8kg | W | 96,000 |
フライシート耐水圧は各メーカーでも大差はありませんが、フロア耐水圧は最大で20倍の開きがありますね。
おすすめは、耐水圧は2,000m以上のダブルウォールテントです。使用可能シーズンが長いので、様々なシチュエーションで活躍できそうです。
ちなみに、mont-bellなどでは、一人用、二人用などをシリーズ展開していますが「一人用」に限っていうと、単純に定員数ではなく、「登山の場合」と限定して考えた方が良いです。
つまり、バイクツーリングであれば、ほとんど単独行動だしても「二人用」を選んだ方が得策です。一人用と二人用とではさほど価格も総重量も大差はない割に、居住性は大きく異なるからです。特に運悪く雨のバイクツーリングとなってしまった場合には、テント内に収容する荷物が多くなります。(登山ではg単位で荷物の軽量化を図るため、ゆとりの幅は抑えた方が良いようです)

私はバイクツーリングでテントを使うことが多いのですが、大型バイクの場合だと、長期日程で荷物も多く、広範囲の移動(=雨天リスク)になるため、耐水圧が高く、コンパクト軽量な「MSR HABAHABA NX」を使っています。

いかがだったでしょうか。
「結局4~5万もするのかよ」ということになってしまいそうですが、長い目で見れば決して高い買い物でもありません。楽しい場面ばかりではなく、悪天候時のことも想定するとベストな選択ができると思います。
次回はアウトドアマットについて、ご紹介したいと思います。